京都の料理はよくハレの料理とケの料理の差が激しい、と言われます。京都に住んだことはないので、実態ははっきりとは分からないのですが、子供の頃の夏休み、京都の祖父母の家に長く滞在することがよくあったので、ごく簡素であった祖父母の家の食卓を思い浮かべると、何となく分かるような気もします。そんな子供時代の京都の夏休みで、好きだった好みの料理の一つは、お好み焼きです。これは少し意外に思われることですが、京都の一部の地域はお好み焼きが名物になっているのです。お好み焼きは家での祖母の手料理ではなく、少し年上のいとこたちに連れられて、お昼に食べに行くものでした。
京都のお好み焼きは、大阪風というよりなぜかかなり広島風です。当然やきそばやうどん等も一緒に入っているのが普通でした。私は東海地方に住んでいましたが、そうしたお好み焼きは地元では食べたことがなく、ボリュームたっぷりの珍しいお好み焼きを食べることが嬉しくて、京都のケの料理でありながら、私と弟にとっては、むしろ京都で好みのハレの料理という位置づけでした。もう一つ京都で好みだったケの料理、とういか飲み物なのですが、ひやしあめが京都の夏休みの大きな楽しみでした。ひやしあめとは、麦芽あめと糖蜜と生姜の搾り汁で作るシンプルで冷たい夏の飲み物で、今思うとなかなかヘルシーな飲料でもあります。
いとこに連れられて行った特に私の好きだった店のは、かき氷のような細かい氷が入っていて、甘さと冷たさ、そして最後に残る生姜の風味が爽やかさで、毎日でも飲みたいものでした。あんなに美味しいものでありながら、なぜか京都以外ではお目にかかったことがありません。お好み焼きは子供の頃ほど大きな楽しみではなくなりましたが、ひやしあめは今でも夏の京都のスペシャルなケの楽しみです。